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「柊木、梨蘭ちゃんと付き合ってるってほんとかよ?」
「いいよな!あんな天使みたいな美少女と付き合えるなんて」
「お前が梨蘭ちゃんと付き合ってるて大変な噂だよ」
何時ものように、2時間目から登校した俺に普段ろくに話もしたことのないクラスのヤツらが話しかけてきた。
「・・ああ?梨蘭?誰だそれ?・・んなヤツ知らねぇよ」
確か・・そんな話しをしたような気がする。
なんでも、この学校始まって以来の美少女で親衛隊やフアンクラブを付き従えて入学してきたとかで・・大層な噂になってた。
おまけに俺と付き合ってるって・・・ふ~ん・・梨蘭ねぇ・・面白いじゃん・・・俺は改めて・・梨蘭ってヤツの顔を真上から見てみた。
「・・・・・」
梨蘭は俺の気配で目を覚ましたのか・・・ゆっくりと目蓋を開けた――!
・・青?瑠璃色?・・梨蘭の瞳は吸い込まれそうにキレイな瑠璃色だった。
・・俺は言葉を失って・・暫く梨蘭の顔に見いってた。
完全に目が覚めたのか瑠璃色の目が俺の目をしつかり捕らえた。
「姫、お目覚めですか?」
「・・だれ・・・ですか?」
ご挨拶だな人の名前、勝手に使っといて・・・俺は・・からかうように言った。
「君の彼氏だよ」
梨蘭は・・まるで知らないヤツを見るような目で俺をみた。
なんだよその反応?・・まさか?・・俺の顔知らないで・・・俺の名前を使ったのか?
「柊木伊織・・思い出した?」
俺は名前を告げた・・・梨蘭は怪訝そうな顔をした・・は?・・まさか俺の名前、使った事も忘れちまったのか――
「あ~!柊木伊織!」
梨蘭は突然・・思い出したかのように俺の名前を呼びながら・・・跳ね起きた。
「クスッ、ご挨拶だね、彼氏の顔、忘れちゃった?」
顔も知らずに俺の名前を使っといて・・・なんだよ・・その反応?気に入らない。
・・俺はわざと意地の悪い顔で微笑んだ。
梨蘭は綺麗な瑠璃色の瞳で驚いたように俺を凝視してた。
俺は梨蘭の綺麗な瞳に吸い寄せられるように・・・梨蘭に顔を寄せた。
「ねぇ、俺、君の彼氏なんでしょう?お目覚めのキスぐらいさ――うっ!」
俺の唇が梨蘭の唇に触れる寸前・・・俺の鳩尾に梨蘭が拳を・・入れてた。
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