158人が本棚に入れています
本棚に追加
/89ページ
――said梨蘭――
あれから幸なことにあの根性悪男とは出くわしてない・・・と、いっても昨日の今日だ。
昨夜、いろいろ考えた結果・・・あたしは・・あたしの親衛隊を称する乙夜たちに全てを話すことにした・・・お叱りを覚悟で。
「え~・・梨蘭ちゃん保健室で寝てたんじゃなかったの?そんで・・柊木先輩・・・殴っちゃったって・・?」
あたしの話を聞いて恭丞の顔がみるみる青ざめた。
「・・成り行きで・・・つい」
「成り行きで・・・どうすりゃあんな人、殴れるんだよ?」
怒られると思いきや・・・恭丞はともかく乙夜まで青ざめた顔をしてた。
「梨蘭、よく聞いて!梨蘭は柊木先輩のこと知らないようだけど、あの人が有名なのは決して、女たらしとか女にだらしないとか、それだけじゃないんだ!」
・・そこ、そんな力入れるほど重要ですか?
「・・あの人は校内だけじゃなくて他校生ともケンカが絶えない、中学の頃には有名で向かうところ敵なしって噂されるくらいケンカに猛てる・・・危険な人だ」
・・嘘・・・そんな人・・あたしは殴ったの?
「だから、梨蘭、今後一切、柊木先輩には近ずくな!わかっ――」
「誰に、近付くなって?」
気がつけば廊下が 凄い騒ぎになってた・・・キヤ~だの・・ギヤ~だの騒音の中・・・そこにいたのは・・・あの・・・柊木・・先輩だった。
「「「ひぇ~」」」
あたしたちは冗談ではなく数メ―トル飛び退いた。
「ふ~ん・・俺ってそんな有名なんだ?・・ケンカだけじゃなくて、女たらしとか女にだらしないなんて・・言われてんだ?」
根性悪男・・・柊木先輩はとてつもなく・・恐ろしい顔で笑いながら教室の入り口のドアに寄りかかってた。
「梨蘭、今日は購買でなんか買う?それとも学食に行く?」
なにも知らない・・・明日香が脳天気にやって来た。
最初のコメントを投稿しよう!