王様のねこ

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 床に着地したと思いきやジオは獣人化していた。尻尾の毛は逆立ち広がったままバシバシ自分の足に叩きつけ、ウォリックの前に仁王立ちだ。拳になった手は握ったり開いたり落ち着かず、ご機嫌斜めは一目瞭然。 「針のけたの、毒どうなったの、そいで、そいでね、犯人また毒なの!?四角い細いあってたよ!王様に毒なの!痛いのと苦しいのイヤ!悲しいし怖いの。嫌いなのきらい、王様、一緒いるのすき。いないの、やなの!」  混乱したまま言いたい事を並べて吐き出した。言いたいことの半分も言葉に出来てない自分のバカさが悔しくて、目の前の王様がポカンと呆気に取られているのも言葉が伝わってないように見えて、悲しくなったジオは久し振りに獣人の姿でポロポロと大粒の涙を流し始めた。 「王様なの」  それは王様がすべてだと、好きだと、耳を倒した儚げな色白の白銀のネコ獣人に愛を告白されているように聞こえた。可愛さあまり余ってやまないウォリックの妄想でしかないのだが。可愛くて愛しい。こんなに好意丸出しで懐き慕ってくれる可愛いネコが他にいるだろうか。ゴシゴシと手を握ったまま目をこするジオを見て苦笑した。 「ジオ、よくやった。偉いぞ。有難う」 「違うの!」 「手順通り犯人確保出来たじゃないか。無理なくわかりやすかったぞ?」 「わかんないの!王様、毒なの、痛かったの、針まだあったのなんで!」 「ん?ああ」     
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