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一年を振り返る
「SNSだって。気持ちわりいな」
それが初めてSNSと言う物を知った時の俺の感想だった。常に誰かと繋がっているというのは酷く不気味に思えたからだ。インターネットという不特定多数の人間に自分の感情や思いを呟くというのは、馴れ合いたいだけの依存癖のある人間達が絶賛しているようにしか見えなかった。SNSを知った後も数年間、俺はSNSなんて物には全然興味を示さなかった。
通っていた大学でも、SNSで情報を交換する学生がいたが俺はそれを内心では馬鹿にしていた。それから数年した頃だったと思う。バイト先で豚丼を馬鹿みたいに盛ってそれをSNSに投稿したりする奴が出てきたのは。
俺はそのニュースを見ながら、ほら見たことかと思いつつ、最近の若者はうんたらと常套句を楽しげに口ずさむニュースキャスターの無責任な発言に耳を傾けていたものだ。
「やっぱりSNSってのは馬鹿な奴が使うものだよな。そのうち会社の内部情報をうっかり投稿する馬鹿も出てくるぞ」
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