ミラレテル2

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「私、彼のことを忘れられなくて。こっそり返したはずの合鍵のコピーとってたの。彼、無用心だから、鍵変えてなかったのよ。まさか、私が、合鍵作って、彼の部屋にこっそり忍び込むなんて、思いもしなかったでしょうね。」 「どういうこと?」 「彼の部屋に潜んで、私の彼を奪った憎い女を・・・殺してやろうかと思って、待ってた。」 「・・・。」 「そこに現れたのが、恵理子、あなたよ。彼が、出張なのは知ってた。その日夕方に帰ってくることも。彼は、彼女の手料理を食べるのが習慣だったから、きっと新しい女も、彼の帰りを夕飯の支度をして、待ってるって思って。」 「やめて、優香・・・。」 「暗くてよく見えなかった。ちょうど運悪く、玄関の電気が切れてて、暗がりでも、女ということだけはわかったから。だから、私は、隠れていたクローゼットから飛び出して、女を刺した。」 「いやだよ、優香・・・・。」 「キッチンの電気をつけて驚いたわ。まさか、私の彼の新しい彼女が恵理子だったなんて。」 「やめてって言ってるでしょ!」 「ねえ、恵理子。あなた、もう、死んでるの。ちゃんと私、罪を償うから。お願い、成仏して。」 「勝手なこと言わないでよ。許すわけないでしょう?一生、恨んでやるから。ずっとずっとあんたにつきまとってやる。私は、彼と結婚するつもりだったのに。絶対に許さない。一生苦しんでね、優香。ずっと側にいるよ。」     
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