1.仲直りはいつの日か

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「僕が嘘つきだとでも思ってるの!? ひどいなあ、まったくもう!」  憤慨する男の子に、私は困り果てた。「サンタクロースはいる」と熱弁されるのと同じである。  過去にタイムスリップ。もしそれができるのなら、私は何がしたいだろうか。  ふいに、帰り道に目の前を横切っていった奈津の姿が瞼の裏に浮かんだ。  もし、過去に戻れるのなら。私は、奈津に――――。 「今、過去や未来のことで悩んでいたり、考えていることってある?」 「えっ……?」  ふいに時間屋は真剣な目をして私に聞いた。 「ど、どうしてそんなこと聞くの?」 「だってほら、時計がアヤカに反応して光ってる」  見れば懐中時計は私の手の中で、淡い光をこぼしていた。その青いきらめきに、時間屋の顔が明るく照らされる。 「この時計の力を必要としているものは、この時計に必ず引き寄せられるんだ。アヤカが僕らの店を訪れたのだって、偶然じゃないよ」  そうなのだろうか。本当に、この少年は本当のことを言っているのだろうか。  九官鳥のハルが、私にこう告げた。 「時計の光は、あなたが過去か、未来へ行きたいと願っている証拠です。今、旦那様と二人でこの時計に手をかざし、旦那様が力を開放すれば、あなたはあなた自身の過去、あるいは未来へ行くことができます」     
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