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「どうしたの?」
「いや…隣で聞こえた"リクト"って名前、俺達の兄貴と同じなんだよ」
「珍しくはない名前だから、同じ名前の他人とは思うんだけど、声が似てるんだよね…」
「二人もなんだ。オレもカナタって…兄ちゃんの名前で声も兄ちゃんによく似てる感じだし…」
「俺達みたいに二人もカップルで泊まりにきたんじゃないか?俺達兄弟全員付き合っているのか…凄まじいな…」
オレがマヒロとシマと付き合ってて、兄ちゃんが二人の兄ちゃんのリクトさんと付き合ってるってこと?
隣の部屋だけど、これはお互い知られない方がいいはず!
オレ達は隣に知られないように、ソッとお風呂から上がり、手早く浴衣に着替えると夕食まで時間を潰すことにした。
「うわぁ…豪華!」
「旅館でバイキングって新鮮だね」
「バイキングなら、好きな料理が食べられるし、ちょっとずつ色々食べられるってのもあるから、女性には好評だろうな」
「シマはバイキングは嫌?」
「バイキングじゃなくて、料理に群がってる女達が嫌なだけ」
「そっか…」
女性が女に変わってるあたり本当に嫌なんだろうなと分かる。
オレ男でよかったかも。
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