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陸斗と出会った日を思い出す。
もう四年くらい前になるのかな?
きっかけは…おれが声をかけたから。
始まりはオープンキャンパス。
おれが通う大学も新入生獲得の為に毎年こういう機会を設けているらしい。
だって、おれはまだ一年生だから、学校のことはよく分からないんだよね。
今日の参加者は…一つの高校につき、五人くらいかな?
学園祭とか夏休みじゃないから、五人でも多い方かも。
何か初々しいな。
おれも去年はあっち側だったなんて不思議な感じ。
彼らから見れば、一年生のおれも先輩なんだけど、ちょっと照れくさいな。
「ん?あの子…」
学ランを着た一人の高校生に目が釘付けになる。
無意識に舌舐めずりをしていて、彼が欲しいと切実に思った。
おれだけに溺れて、おれだけに好かれていればいいんだ。
こんな気持ちは初めてで、それでも彼が欲しいという思いは強まっていく。
おれは男でも女でも恋愛関係や肉体関係はこだわらない。
だって、好きって気持ちに嘘はつきたくないもんね。
彼を見ながら、どうやって彼と接触しようかと考える。
同じ大学の生徒なら、いきなり声をかけてもどうにかできるけど、高校生だと警戒されて、そのまま終わりってこともある。
失敗は許されない…。
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