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学校内にあるから無料だと思ったのだろうか?
高校でも校内に自販機があって、お金を投入しなければ買えないだろうに。
自販機がない学校なんだろうか?
「今日はお兄さんのおれが奢ってあげよう!」
「いえ、自分の分は払います!」
ノリが悪いのか、真面目すぎて頑固者なのか…そこも可愛く見えるけどね。
おれだけ、そう思っているのかもしれないけど、それでいいんだ。
学食で結局おれが押し切って、軽食をシェアすることで、奢らせてもらった。見返りが大きいからなんだけど。
「学食ってオシャレなんですね…カフェみたい」
「学校によりけりじゃない?で、高校生くんは大学で何をやりたいの?」
「あの…僕、確かに高校生ですけど、名前…"藤崎 陸斗"って言います。先輩の名前は…」
「"飯田 奏多"だよ。そうだ、おれのこと先輩って呼ばないでね♪敬語も禁止ね♪」
「え…?どうすれば…」
「友達と話すようにしてくれればいいよ」
友達よりも親密な関係の恋人になりたいけど、焦らずじっくり行かなくちゃ。
欲は小出しにしないと逃げられる。
当たり障りのない会話は、おれの耳を右から左へ通過するだけで、彼…陸斗と何を話していたのか覚えていない。
ただ、手が綺麗で爪も深爪にしてないところに目が行ったことは覚えている。
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