205人が本棚に入れています
本棚に追加
簡単に案内を済ませ、とりあえず玄関ロビーに戻った。
学校からきているのだから、学校に帰ってから、解散になるのだろう。
「この後は学校に帰るの?」
「いえ、直帰でいいそうです」
「そっか。じゃあウチにおいで。友達との勉強会とでも連絡しておけば大丈夫じゃない?」
じわりじわりと網を狭めて、大きな魚を追い詰める。
本当に逃がしたくないなら、かっこつけてる余裕なんてないはず。
「あの…先輩のご家族に迷惑が…」
「おれ一人暮らしだから大丈夫。後、先輩呼びと敬語は禁止って言ったよね?」
もう逃がさない。
おれは自分でも呆れるくらい貪欲な人間だ。
「どう?気持ちいい?」
「中、熱くて…気持ちいい…です…」
「また敬語使ってる…」
いやらしい気持ちよりも可愛さが勝って小さく笑うと、陸斗が呻きながら身体をピクッと反応させる。
「笑うと響く…」
「ごめんごめん、何だか可愛くて」
可愛いのにかっこよくて、おれの方が溺れそうになってる。
身体が繋がってることで安心する…今までとは違う安心感。
「うん、本当に上手。初めてとか嘘でしょ?んっ…!」
「ここが気持ちいいんですか…?」
「内緒…。おれとの約束を破る奴には…教えな…ああぁっ!!」
「教えてくれなくても分かったかも♪それと…奏多も可愛いよ」
「っ!!」
イったワケじゃないのに、お腹の奥がキュウゥンと甘く疼いたと同時に、何だか切なさも感じて泣いてしまった。
おれが跨がってリードする側なのに情けない。
その後は幸せな気持ちでいっぱいなまま、何度も求め合って、イく度に満ち足りた気持ちになって、おれの方が陸斗に溺れてることが分かってしまった…。
最初のコメントを投稿しよう!