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車内のおつかれ気味の皆さんから痛い視線を浴びつつ、俺は興奮しているヒロシのスマホを見た。
「ほら、コレ!」
画面には、真っ黒い画面に赤い字で『閲覧注意』と書かれていた。
「やべ、すでに怖いんだけどw」
「それな!」
よく見ると、確かに製作者〇〇〇、閲覧数0だ。すげぇ。初めて見た。
「よし!」
「えっ!?」
俺が驚いていると、ヒロシはその画像を指でタンッとタップした。
『こちらの動画は削除されました。』
動画再生になった瞬間に白い画面にその文字が浮かび上がり、俺は軽く混乱した。
「え、何どういう事?」
するとヒロシは言った。
「あ~…!またダメだ~。これも都市伝説って言われる理由の一つで、再生しようとするとこうなるんだよ。」
「は?」
つまり、運良くサムネイルが見つかっても、めったにその動画は見れないらしい。
「なんかの映画の宣伝なんじゃないの?前に怖いドラマでそういうのあったじゃん?」
「かもしんねーけど、それならそのタイトルくらい告知してないと意味なくね?」
「う~ん、にしても、これだけしか分からないとなんか気味悪いな。」
「な?逆に気になるよなw」
「いや俺は…」
ちょっと怖いけど。
でもそれを楽しんでいる空気を壊したくなくて、ヒロシには言わなかった。
「見れたら教えてよ。」
「おぅ!!絶対見てやるぜ!」
それからなんでもないような世間話をして、俺はヒロシと別れた。
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