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それからまた数日が経ち、ヒロシはちょくちょく『閲覧注意』の話をした。
そのころにはその噂は大分流行っていて、テレビでも取り上げられるようになった。
話は最初に聞いた時より尾ヒレがついたようで、「見た人は行方不明になる」や、「24時間以内に死ぬ」など、いかにも都市伝説らしく仕上がっていた。
「あ~!あれから結構チェックしてるんだけどさー、見れないんだよねぇ。」
バイトの休憩中、ヒロシはタバコをふかしながら言った。
「え?あの都市伝説のやつ?」
「うん。そっちは?アレから見てる?」
「え、俺は…」
あれからあのサイトは良く見ている。が、問題の『閲覧注意』は見かけても見ないようにしていた。何故なら怖いから。
しかも最近は、その都市伝説が流行りすぎて、似たような動画が沢山上がっていた。
でもそのほとんどは誰かの作ったホラー動画で、あの時のようにすぐに『こちらの動画は削除されました。』という画面にはならないようだ。
その事が分かったら、ますます怖くて見られない。
そんなことを思い出していたら、テーブルの上のヒロシのスマホが鳴った。
―――ジリリリリリ!!ジリリリリリリ…
「うわっ!?」
「もしもーし!!」
ヒロシの着信音は黒電話の音だった。実物を見たことは無いのに何故か懐かしいと思うと同時に、そのノスタルジックな音が少し怖かった。
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