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感じていた違和感は、確信に変わった。
籠っていてわからなかったけど、これは… この動画に映っているのは… ヒロシだ。
――― 『ジリリリリリリ…!ジリリリリリリ』
恐怖から呼吸が浅くなり、ハッハッ、と震えながら息をしていると、薄いドットのヒロシの上に、黒い何かが覆い被さった。
『アあぁぁあぁあァアあァーー!!』
『パキッ……パキ……』
『……ズ…ズズ…ズっ……、』
『ジリリリリリリ!ジリリリ…』
『アあァあぁぁあぁあァア……』
『パキッ……パキンッ…!』
『ジリリ』
――・・・ ツー…ツー…ツー…ツー……
黒電話の音が途切れた瞬間、コール音も途切れた。
耳に届いた一定の音程の電子音は、動画が止まった静けさをより一層感じさせ、俺は恐怖のあまり指一本動かせずに固まった。
―ピコン♪
「…………っ!?」
登録番組の新着の音が鳴り、画面が切り替わった。
「………ぇ?」
…そう思ったはずが、画面はさっきと変わらず黒いサムネイルのままだった。
『製作者○○○閲覧数0』
『閲覧注意』
「なっ、なに、なんで???」
混乱する頭ながらも、「電源を切ってしまおう!」そう思って画面を閉じようとカーソルを動かすと、指をクリックしたにも関わらず画面は真っ暗なままだった。
「えっ!?なに、もうやだ!」
『えっ!?なに、もうやだ!』
画面から聞こえてきたのは俺の声。真っ暗な画面の文字は、『閲覧注意』から『閲覧中』に変わっていた……。そんな…まさか…
画面には粗いドットの俺らしき人物が映っていて、
ゆっくりと振り向くと、そこには見たこともないような見たくもないような大きくて奇妙な黒
『 オ ジャ マ シマ ス』
『うわぁあぁあああァあぁぁあぁあ!』
end
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