運命の歯車は、突然回り出す

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………… 休み時間ごとにルルの休憩を挟みながら、何事もなく放課後に。いつものように、わたくしはメイ、サチの3人で帰路を歩いていた。 確かに、トイレでルルと顔を合わせること以外は、あれ以来何も変わった出来事は起きなかったけれど、魔法少女になった今となってはそれがもう楽しくて仕方ない。 かつてアニメで見た魔法少女たちは、こんな気分で学校生活を送っていたんだな、と。そして、これからそれに自分がなるんだ、とわくわくが止まりません。 「なんだか、今日、ごきげんだね、テンコ」 「そう見えますの? わたくしはいつものわたくしですのよ!」 やはり、生まれた時からの幼馴染、メイにはわかってしまうのか。 それでも流石に、わたくしが魔法少女であるなどと思いもよらないはず。いくらメイであろうと、こちらからボロを出さなければ大丈夫。 「ん? ……あれー? テンコ、なんかそのポケット動いてない? ていうか暴れてね?」 「は……?」 「なになに、トカゲでも捕まえたのー!?」 ちょっ……一安心したそばからなにやってるのルルーっ!? そしてサチもこういう時だけ勘が鋭い! ど、どうしよう……とりあえず逃げないと! そしてルルを問いただしてやる! 「あ、あー! これはわたくしの携帯電話ですのー! ハイパーマックスバイブレーション機能というのを試しておりましてー!」 「な、なにそれー! かっこいーっ!」 「きっとクロお兄ちゃまからのエマージェンシーコールですのー! というわけで、ごめんあそばせ!」 問い詰められる前に言うことだけ言って全力退避。 決して振り返ってはいけない。魔法少女大原則の正体バレを、1日目にして破るなんてあってはならない! 仮に正体を明かすにしても、普通はもっと先の話だし! とにかく全力疾走しながら、人目を避けて裏路地へ。物音も何もなく、わたくし一人しかいないことを確認して、ポケットからルルを引っ張り出した。 「ちょっとルル! 危うくルルのことがバレてしまうところでしたのよ!?」 「そ、それどころじゃないんだって! 私の妖精レーダーに反応あり! この近くに、脱走した魔法動物がいるんだよ!」 なんとこれまた急展開。ある意味エマージェンシーコールというのは正解だったのか。 しかし、意味もなく暴れていたわけではなかったらしいことに安心した。
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