第十六章 新たなる挑戦

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一、ある昼のひと時  次の日の学校の昼休み。  俺とかなたはジャージ姿で柔道場に来ていた。 「明境会?」 「そう。前にここで愛氣達と集まって稽古していたんだ」  俺は宍戸兄弟達と闘うために、みんなで特訓したことなんかを話した。 「やっぱり愛氣先輩って凄いんですね。高校生まで投げちゃうなんて」 「だろ? あいつのはただ強いっていうんじゃなくて、なんかこうスゲー輝いてるっていうかさ、とにかくもう凄いのなんのって……」  ふと、かなたを見るとなんだか暗い顔をしている。 「いいな、ちゃんと一緒に稽古出来る仲間がいるって……」 「かなた……」  そうだよな。  かなたは稽古って言うより、ただ一方的に痛めつけられただけだもんな。 「そうだ。かなたも明境会に入ればいいじゃん」 「え? いいんですか?」 「当たり前だろ。今度、他の仲間も紹介するよ」 「ありがとうございます!」  かなたの大きな瞳が輝いた。  その後、ふたりで受け身や小手返し、四方投げの稽古をやった。  かなたもかなり速く動けるようになって、投げも受け身も凄い上達ぶりだ。  やっぱり武道経験者はコツを掴むのが早いんだな。
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