第十六章 新たなる挑戦

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「ハァハァ、ちょっと早いけどこの辺 にしとこうか?」 「わたしならまだ大丈夫ですけど」  いや俺が疲れちゃってるんだよ。  愛氣と言い、かなたと言い、なんてタフな女の子達なんだ。 「明日から亮達も呼んで昼休みの稽古も本格的にやるからさ」 「亮? それって先輩と同じクラスの大隈亮先輩ですか?」 「そうだけど。知ってるの?」 「だって大隈先輩ってちょっと女子の間で人気あるんですよ」 「え? なんで?」 「だってジャニーズ系のイケメンじゃないですか」  え!?  少し長めの茶髪に、高めの鼻、整った顔立ち。  眉毛も手入れしてるみたいだし……。  確かに言われてみれば亮は『イケメン』の部類に入るかも知れない。 「楽しみだなぁ。一回話してみたかったんです」 「そう」  俺はそっけなく答えた。 「あれ? 長尾先輩、どうしたんですか?」 「別に」 「あれ? もしかして妬(や)いてるとか?」 「な、なんで俺がかなたに妬かなきゃなんないんだよっ!」 「そうですよね~。先輩は愛氣さんひとすじですもんねぇ~」 「コラッ!」 「わ~先輩が怒ったぁ」  かなたは俺を見ながら柔道場の入り口のほうに走って行く。 「待てよ」  
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