第23話  たまんねぇ感覚

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もちろんオリヴィエの方なんか見れないから、明後日の方に顔を向けながら。 タオルを腰に巻いて、僕は準備を終えた。 「オリヴィエさん。僕はもう大丈夫だよ」 「私もです。行きましょうか」 僕が先頭になって浴場に向かった。 オリヴィエは僕の後ろにピッタリと付いてくる。 なんだか様子がおかしいな。 「ねぇ。どうしてそんな歩き方なの?」 「それは周りのお客さんへの配慮の為ですね」 「どういう事?」 「私は今完全なる裸族ですから。レインさんの影に隠れないと見えてしまいます」 ええー何それ?! こういう時は普通、体に何か巻くでしょう? それにそんなに近くを歩くから……。 ふにゅん。 当たった! 今なんか柔らかい何かが当たったよ!? 「レインさん。これが俗に言う『たまんねぇ感覚』ってやつです。いかがですか?」 「俗に言うったって、僕は初耳なんだけど?」 気が動転して的はずれなコメントを返してしまった。 まぁ冷静だったとしても的確な解答なんか出来ないけどさ。 幸いなことに、入浴者は他に2人しか居なかった。 どちらも地元の人らしきお爺さんだ。 若い人が居なくてホッとした。 「時間帯の関係かな。お爺さんしかいないね」 「そうですね。若い女性が居なくてよかった」 「あれ、男性じゃなくて?」     
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