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「ようこそ私の部屋へ。私はあらゆる物事を司る女神です。あなたをお待ちしておりました」
「えぇ……?」
どの口がそれを言うんだろう。
さっき怒鳴ってたじゃん。
暴言吐きまくったじゃん。
今まで散々ほったらかしにしたよね!?
僕が返答に困っていると、それに構わず女神が続けた。
「困惑するのもわかりますが、まずは話を聞いてください。あなたは既に死んでしまった存在です」
「そういえば、崖から落ちてしまって……」
「そんなあなたですが、私の力で同じ世界の同じ時代に、蘇ることができます」
「え、そうなんですか?」
山道でうっかり足を踏み外して死んだだけの、平凡な村人なんだけどいいのかな?
もっとこう伝説の賢王とか、宵闇の魔女とか、凄そうな人を選ばないの?
でももう一度家族に会えるなら、願ったり叶ったりではあるけれど。
「諸々の設定は弄らせてもらいますけどね。まずは天涯孤独のぼっちで、生業は冒険者になってもらいます」
「え、ちょっと待って」
「年齢は死ぬ前と同じ17歳でいいでしょう。国は……面倒だから中央大陸で」
「ま、待ってください!」
「冒険者としての役職は……ブフッ、これでいいですね。あとは最低限の所持品っと」
「待ってください! あと役職で笑うってどういう事?!」
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