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2 ライバル登場??
数日後の学校――
放課後、飲食系の出し物をやるクラスが会議室に集められ、衛生管理の講習を受けることになった。
一年A組は、代表で由希乃ともう一人、男子生徒が参加。
「えー、一年生の方ははじめまして! 二年、三年の方は一年ぶりです! 私は保健所から食品衛生のレクチャーをするために来ました、晴海洋子です。両方名前みたいだけど、晴海は名字です^^ で、この学校のOBなので緊張しないでくださいね! リラックスして、でもマジメに講義を聞いてください。では、はじめます」
年の頃は二十代半ばくらい、白衣姿の晴海先生は、難しそうな内容を面白おかしく説明してくれた。このぐらい学校の授業も面白ければ、もっと成績が上がるのに……。と由希乃は思った。
講習が終わったあと、教室に戻ろうと一階の渡り廊下を歩いていると、事務室の裏手に何故か多島くんが。
由希乃がおーい、と声をかけようとすると、彼の向こうには晴海さんがいた。
(……え? なんで多島さんと晴海さんが楽しそうに話してるの?)
聞いちゃ悪い……とは思いつつ、由希乃は植え込みの影に回り込んで聞き耳を立てた。
「いやー去年ぶり、多島くん。元気してた?」
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