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涙歌待人-改新版-
目の前に広がる人々の集まり。私はステージの上でマイクを持っている。後ろには私を今まで支えてきた仲間がいる。私は心の中で自問自答をする。
何をするのか?
歌うのだ。あの人のために。
そして私たちのバンドの解散のために。
周りには集めた仲間たちがギター、キーボード、ベースを持っている。ドラムはいない。そこで奏でる者は一人しかいないから。
そういえば、あの人はドラムを叩いていたな。ふっと思い出す。
力強い音を出していた。素早い音で鳴らしていた。
もう一度聴きたいけど、彼はもういない。
私たちの名前もそこそこ売れている。
正直解散は悲しい。でももっと悲しい者を私は失った。
そんな私たちを目の前の人たちは待っていた。
私たちの特集で街の人に「あんなことがあったけどどう思いますか?」という質問に対して街の人たちは「あんな悲しいことがあったけど他のメンバーに支えられて復活するのを待ってます」などという言葉を見たことがある。心配してくれるファンの手紙も貰ったことがある。中には批判する人たちもいただろうが。
だから言わなくちゃ。私たちの復活を。
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