海辺でシェアハウス

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「なるほど、エロ河童は自分達のコンパの為に、死にかけた私を見捨て豚に後を任せた訳ですね」 拳を握りながらそういうと、飴を貰った瑠里は口に入れながら、まあ落ち着けと肩に手を置かれた。 「引きこもりでパソコンの画面しか見てない河童には、コンパなんて生死をかけたサバイバルアクションだよ、フラれるという結末も知らず」 妹の方が平気で酷い事を言ってるけど、部屋から出ないのは仕事上で引きこもりじゃないし、ルックスからしてモテないとも思えないが黙っておいた。 「どっちにしても水中が弱点とか、忍者探偵Ⅹの一員として恥ずべき事だし私は行く!そして水遁(すいとん)の術をマスターして……」 「水遁(すいとん)程度じゃ死ぬだろ、水中に引きずり込まれたら即酸欠なんだよ!」 納得した顔で顎に指を乗せていたが、大好きな忍者探偵Ⅹが絡むと、絶対に行く感じになるので冷静になれと宥めた。 これから勤務する上で執行役の私達は、水陸空に対応出来ないと殺られる可能性がグッと上がる。 空は何とか飛べるというか泳げる感じになったが、かなり強引だったので、出来れば事前に練習しておきたい。 木村さんが交渉してくれたので、仕事に支障がない日にちを選んでくれている筈だが、あとはキツネ面……いや、社長の許可を貰うだけだ。 河童の認めた奴なので本当は凄いのかもしれないし、ウチのチームの啄もボンレス体型で性格は悪いけど、毒薬やその他薬剤についてはズバ抜けている。 無理やり自分を納得させようとしていると、社長が戻って来て後ろから弦と蓮さんが嫌そうに顔を覗かせていた。 「待たせてすまんのぅ、人選で頭使ってしもうて」 瑠里を見つけた弦は急にテンションがアガったが、蓮さんはいつも通り無言というか喉を潰されたのかという位しゃべらない。 社長はコーヒーを持って椅子に座りながら、勿体ぶって溜めに入ったので、長くなると予想し瑠里と部屋を出ようとした。 「えっ、ちょっと、まだ話してないけど?」 キツネは少し慌てると、手首が取れるのではという程手招きをしていたが、こちらは承諾して貰うだけでいい。 二人で冷ややかな視線を送ると、仕方なさそうに口を開いた。
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