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狐から与えられたチカラで真似出来るのかもしれないが、今はそんな事を言ってられないので、プロに頼むのが一番だ。
「あのドアの向こうを確認したいんです」
「いいけど、入らないと気配を探れないとはまだまだだのぅ」
そう言われても敵がいるような感覚はないので、意味が分からず首を傾げていると、ニヤリとしてから口に手を当てていた。
「敵だけではなく、時には救済を求めている者や、そこにいるペット達も気配はあるでしょう?」
「確かに……」
朝イナリに顔を見下ろされる気配を感じ、餌だと起き上がったのを思い出すと、色んなパターンを察知する訓練が必要だとまた課題が増えた。
「そこで改めて気配を読もうとすると、どんな事が浮かぶかやっ……」
まだ朧が話をしてたのに、瑠里は入ろうとしていたドアを通り過ごし、奥に歩き出したので後をついて行った。
こういう時の妹はノリノリなので黙って見守っておくと、新しいチカラを発揮してくれたりで、先を越されてしまうが仕方がない。
要領よくこなしてしまう瑠里が羨ましい限りだが、さすがに柏餅の爆弾等は使いこなしたいとは思わない。
足を止めると芝生にシレッとドアノブがあり、パッと見は気付かないが回転させる蓋がついていて、かなり重そうだが妹は容易く開けてしまう。
「さぁて、忍者探偵Ⅹの偵察開始と行こうか」
私もマスクをつけ地下に続く鉄のハシゴを降りていたが、朧……いや、彼女も躊躇いなく二番目をキープしている。
懐のイナリ達を数に入れると丁度五人なので、何かあれば絶対に名乗りのシーンを試すつもりだと思われる。
ライトは照らさず朧が先頭に変わり、私は後ろを担当して通路を歩くと一番奥から悪臭がしているが、手前の牢の扉にも気配を感じ足を止めた。
灯りもない部屋に下を向いた少女達が見えているが、食べ物も与えられてないのか、ガリガリの状態だった。
思わずドアノブを握ろうとすると朧に止められ、隣の部屋を指さされた。
そこは小さな豆電球だけが灯され、保健室のような簡易ベッドが幾つか並び人が横たわっているが、包帯で顔や手足を覆われている。
ただ何となく連れ去られた少女達のような気がして、怒りが沸々と湧き上がり、爆発しそうになっていた。
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