プロローグ1

2/5
前へ
/149ページ
次へ
僕はこの世界が大好きだ。 お父さんもいる。お母さんもいる。いつもアメをくれるおばあちゃんもいる。 そして何より、一緒に遊ぶ君がいるこの世界が。 家の扉を蹴飛ばして、勢い良く外に飛び出すとそこには黄色いじゅうたんが広がっている。 暖かい日差しが僕を包み込む。 心地よい風が、菜の花畑へと走る僕の背中を押してくれる。 菜の花の匂いは、ちょっと苦手だ。くしゃみみたいな臭いがする。 でも、そんなことさえ今の僕にはどうでもよかった。
/149ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加