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「お待たせしました。10名様ずつお入り下さい」
いよいよ俺達の番が来た。後ろの武智も一緒だ。
教室に入ると、三角の黒い覆面を被った怪しげな男が待ち構えていた。
「……どうぞ、中へ」
室内は黒い暗幕で覆われ、更に壁際にも覆面男がズラリと並び不気味さに拍車をかけていた。
「空いている席にご着席下さい……」
見れば縦に四列、横に五列、計20個の机と椅子が並び、一つ飛ばしで既に10人の生徒が机に伏していた。
はて、参加人数は10名のハズだが。前の組の参加者も教室から出てきたのは見たしな。
疑問を持ったまま俺は適当に最後列の中央の席に座った。吉郎はひとつ挟んで左隣に。席が全て埋まると再び覆面男は声を発した。
「そのままでお待ち下さい。間もなく開始いたします」
その言葉をきっかけに、机に伏していた者達が一人、また一人と顔を上げ始めた。
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