プロローグ

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『--お目覚めのようだね』  何やら合成音声が黒板の方から聞こえてきた。かと思ったら、教卓の下から何か出てきた。  白塗りの顔に十字の目。そして丸い赤鼻と分厚い唇が張り付いている。それはピエロを摸したパペット人形だった。  恐らくコイツがゲームの主催者か。こういう愛嬌のあるマスコットキャラが出てくるのもデスゲームの定番だよな。 『ボクの名は“ウツケ”。ようこそボクの遊び場へ♪』 「に、人形が一人でに動いてる?」 「しかも喋ってるだと?」  いやどう見ても教卓の下で操ってるって丸分かりだろ。声もスピーカーから出てるし。まあそんな野暮なツッコミはしないが。 「あら、かわいいお人形さんね。一体これから何が始まるのかしら?」  いるいる。状況をすぐに受け入れちゃうクールな女。 「ぼ、僕の親は官僚だぞ! こんな事をしてただで済むと思ってるのか!」  いるいる。親の権力をひけらかすお坊ちゃまキャラ。 「諸君! とりあえず一旦落ち着こう! まずは話を聞こうじゃないか!」  いるいる。突然仕切だすリーダー気質な奴。てかみんな定番に忠実だな。A組の連中も相当デスゲーム作品が好きと見た。
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