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その日を境に麗奈のスクールカーストの位置は頂点から一気に最底辺に突き落とされた。
親友と思っていた誰もが麗奈が話し掛けてもガン無視。ただし心の声だけが届いた。その心の声も麗奈を疎んじ、差別するものだったので次第に麗奈も誰にも話し掛けることはなくなったのであった。
放課後、麗奈はバスケットボール部に所属していたが心の声が読めるのはフェアではないとの理由で部活動の参加を拒否されたのであった。
麗奈は仕方なく家に帰った。家に帰っても母とは口を聞かなかった。麗奈はふと台所に立ち寄り包丁を手にし、洗面台に向かった。そして洗面台の鏡に映る忌まわしい青耳の付け根に包丁を当てた。
『この青耳のせいで私の人生は地獄だ。こんな青耳切り落としてやる!』
だが・・・耳の根元に刃先が触れただけで・・・麗奈の手は止まった。麗奈の手は震えていた。やっぱり・・・自分の耳を切り落とすことなんて出来ない・・・。
麗奈の手から包丁が床に零れ落ちた。
そして麗奈はガクリと身を崩すと号泣したのだった。
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