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一通り話した後、2人は机の上を片付け始める。カチャカチャと食器の音だけが響く。
(…沈黙が苦しい…なにか話さなきゃ…)
沙良は思考に気をとられたのか作業が疎かになり近くにあった包丁に不用意に触ってしまう。
「いたっ…」
「沙良、大丈夫?」
痛みで我にかえった沙良は右手の人差し指から血が出ていることを確認した。
「ゴメン…切ったみたい。救急箱借りるね。」
"今日はついてないな…"と思いながら部屋を出ようと立ち上がった沙良はバランスを崩して転倒してしまう。
痛みを感じなかった為、不審に思い後ろを見ると、柊介と目があった。
「…柊介?どうしたの?」
「…いい匂い…」
沙良は後ろから柊介に抱き締められる形になっていた。荒い息づかいが耳元に届く。
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