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「あー…まぁ、柊介が分かりやすすぎるからな…」
ここ最近の柊介を思い出して颯太は乾いた笑いを浮かべる。
「そんなに分かりやすいんだ。」
いまいちピンとこない沙良は首をかしげる。広まってた原因は自分と思っていたから颯太の発言が意外だった。
「だって…高梨が通りすぎる度に目で追ってるし他のやつと話してるだけでムッとした表情してるもん。」
(独占欲強いかもって言ってたっけ…)
柊介の言葉を思い返して沙良は背筋が少し寒くなった。そこまでの独占欲とは予想してなかったのだ。
「そこまでとは思わなかった…」
「なにが?」
突然、後ろから声をかけられ沙良は思わず悲鳴をあげた。
「ちょっと!びっくりさせないでよ!!」
涙目で抗議する沙良に柊介は余裕の笑みで受け流す。
「ゴメンゴメン。そこまで驚くと思わなかった。じゃあ颯太、また新学期。」
何か言いたげな沙良の腕をつかんで柊介は颯太と別れたのだった。
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