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「柊介、全教科1位って聞いたけど…。」
お昼休み、たまたま自販機で遭遇した柊介に沙良は尋ねた。
「だって、今回のテスト簡単だったし…」
事も無げにさらりと返した柊介は沙良の固まった顔に気づいた。
「え…沙良?」
「…今回のテスト、応用問題多かったから平均点低いって聞いたけど…。それに…文系苦手じゃなかったっけ…。」
いぶかしむ様に言った沙良はまじまじと柊介の顔を見る。
「カンニング疑ってる?」
「柊介、そんな事しないでしょ。ただ…吸血鬼の覚醒と関係あるのかなって。ほら、よく本で見るし!"知力と体力に優れてる"…って…」
あわてて取り繕った沙良はもう一つだけ疑惑が浮かんだ。
「そういえば…夜の方が元気だよね…」
疑いだしたらきりがなくなり沙良は一人頭を抱えた。その様子を見ていた柊介はある提案をする。
「…兄貴に聞いてみる?」
「徹く…本城先生に?」
いつもの癖で呼び掛けた沙良は場所を考えて言い直す。
「先生に。俺も基本的なことしか聞いてないから…。」
沙良に合わせて呼び方を変えた柊介は沙良にそう提案をした。あまり自分のことに興味無さそうな様子に少し不思議に思いながら同意する。
二人の意見が一致したところで徹に聞きに言ったがあいにく時間がとれないとのことで、ある人物を紹介されたのだった。
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