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「…なるほどね。…先生からなにも聞いてないのか…。」 伊織はどう伝えようかと思案しているようだった。 「先輩…?」 不安になった沙良が声を掛けると伊織は意を決して話始めた。 「…覚醒すると能力が大幅に向上する。知能だったり身体能力だったりね。知能はいいけど…身体能力については全力ですると気味悪がられるからちょっと制御する訓練が必要かも。」 何か思い当たることがあったのか柊介が少し押し黙った。めざとく反応した伊織はあえて意地悪に言う。 「思い当たることがあるみたいだね。」 「俺、バレー部なんですけどあまり疲れなくなりましたね。」 (柊介(じぶん)のことなのに、すごく他人事みたい) 淡々と話す柊介に沙良はそんな印象を抱いた。
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