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「本城くんが覚醒したのって、いつの話?」
「中2です。…沙良の告白がきっかけです。」
なるほど、と呟いて伊織が話を続ける。
「本来なら徐々に覚醒して、そこから制御だったりとか代用品とかを使うんだけど本城くんはずっと血を飲んでなかったし、きっかけがきっかけだからなぁ…。」
「…告白された日、沙良の血が欲しいと思ってしまったんです。そして、誕生日に沙良が怪我をして決定的になった。」
「本城くんの覚醒に高梨さんが大きく関係してるみたいだね。」
(高梨さん、いい匂いするからなぁ…。)
柊介の話を聞き後ろにいる沙良をちらっと見る。ほのかに甘い匂いがした。
「…高梨さん以外の血は飲んだことある?」
「ないです。欲しいと思わないので。ただ、これは飲んでます。」
ポケットからピルケースを取り出す。
その中に入っていたのは白い錠剤だった。
「サプリか。これ、高梨さんには伝えてる?」
それに関して柊介は首を横にふる。
「伝えてないです。…免罪符みたいで嫌ですし。」
(本城くんは…高梨さんを失うことを恐れすぎてる…?)
柊介と話してみて伊織はそんな印象を抱いたのだった。
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