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その頃、沙良たちは家路に向かって歩いていた。
「…柊ちゃん。」
「…なに?」
「今日…泊まっちゃだめ?」
その一言に足を止めて柊介は驚いたように沙良を見つめた。
なし崩し的に泊まることはあったが事前に言ってくるのは珍しかった。
「いいけど…おばさん大丈夫?」
「4月からお父さんに着いていくから準備でいないの。」
一人きりになる沙良を心配して柊介は違う提案をする。
「それなら俺が迎えに行くよ。女の子に夜道は危ないし。…それに、俺も話すことあるから。」
有無を言わせないその態度に沙良はただ肯定するしかなかった。
「分かった。じゃあ家で待ってる。」
なにか釈然としないものを抱えながら一旦二人は別れたのだった。
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