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「帰るか」
ケンジは懐中電灯を振り回しながら、除霊室を出た。
続いて、ミカ、私、と部屋を出た。
ユウスケは納得がいかないのか、鏡の前で懐中電灯をかざしたりしている。
「ユウスケ、早く出るよ?」
「お……ぅ」
ユウスケが頷きながらこちらを見ようとした瞬間、除霊室のドアが突然閉まった。
「!!!!!!!」
「何、突然……」
「ま、まぁ、古い建物だし……」
次の瞬間、中からユウスケの叫び声が聞こえた。
「うぁあああああ!!おい!ドアを開けてくれ!!!」
向こう側からドアを叩く音が聞こえ、私たちは必至でドアを開けようとした。
だが、さっきまで開ける事の出来たドアは、どんなに力を入れても少しも開くことはなかった。
「ドアが開かない!!」
ケンジはドアを蹴ったり叩いたりしながら必死で開けようとした。
ドアの向こうでは、ユウスケがドアを叩いているようだ。
「早く!!早く!!早く!!早く!!早く!!早く!!早く!!早くドアを開けてくれ!!」
「何か、ドアを壊すものはないのか!?」
ケンジがそう叫び、ドアを破壊できそうな物をみんなで探した。
だが、椅子は大きすぎて持ち上げられず、ケンジは体当たりでドアを壊そうとした。
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