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興味本位で聞き返してみた。……が、失敗だった。
「血まみれなんだろうなぁ、真っ赤なんだよ。徐々に黒ずんでいくんだよねぇ」
「へ、へぇ……」
「俺の親指よりもちっちゃいんだよねぇ。コインロッカーベイビーだっけ? きっとアレだったんだろうなぁ……」
「……」
「骨だけってのもあったな。ほら、理科室にある骨格標本。あんな感じのヤツ。ちょっと肉が付いているのもあったっけ、ハハッ」
「………………そ、そうなんだ。怖いな……」
酒が不味くなった。ほろ酔いだったけど、気分的にはすっかり醒めてしまった。
これ以上聞くのはなんとなく良くない気がして、話題を変えるか、それかもうお開きにして帰ろうかと迷っていたところ、彼が思い出したように口を開いた。
「あっ、そういえばさぁ、一つ、わけわかんねぇのあったぜ。サイズの大きいのあんじゃん、コインロッカーの一番下のとこ。あれに一杯一杯ぐらいの太い腕が突き出してるのを見たことあったよ。毛むくじゃらでさぁ、筋肉質でえらくごっつくて、血管もびっしりと浮き上がっていて、それで紫なんだよね、肌の色が。爪が鋭くてさぁ、初めて見たときはさすがに驚いたなぁ」
止める間が無かった。
「き、気味が悪いな……」
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