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「あー、ドキドキするわ」
小さな声で、顔を上げながら呟く課長。
課長を見上げてみるが決して目線が交わることはない。
「どうしたんです?」
「ん?こっちの話」
「よくわからないです」
私の問いは容易くも流されてしまった。
さて、どうしたものかと考えている最中。
「高橋さん、意外に胸あるわね」
少し頭を下げ、私に耳打ちする課長。
内容が内容だけに、一気に羞恥心が襲う。
「なっ…!」
「しー、周りに聞こえるわよ」
咄嗟の一言に動揺を隠せず声が出た。
しかし課長はそれを楽しむかのように悪戯な笑みを見せながら、空いた手を口元に持っていき人差し指を立てる。
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