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「課長が変なこと言うからですよ」
きっと今の私は顔が真っ赤であろう。
それを隠すように俯き加減で必死の抵抗を見せる。
「この角度からだと高橋さんのブラウス、上から見えちゃうし。それにさっきから胸が私の腕に当たってる」
ここは満員電車の中。
あくまで小声でヒソヒソと、課長が言葉を続ける。
「こんな可愛い子がこうも近くに居て、しかも体がこんなに密着しているのだからドキドキして当然じゃない?」
俯いていた私の顔に優しく手を添え、顎をクイっといとも簡単に持ち上げられる。
ぶつかる視線。
課長の、少し紅潮した顔が妙に色っぽくて。
私まで顔が火照り、もう一度俯こうとするがそれを許さないかのように顔は課長に支えられたまま。
嗚呼、心臓が煩くて今にも爆発してしまいそう。
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