∵第2話 恋という名の種が芽吹きました。

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「急にごめんなさいね、吃驚させちゃった?」 人気の無い場所に来たところでやっと課長は振り向いた。 同時にするりと腕は抜け、私の片腕は解放される。 少し物悲しいが、掴まれていた所は未だに熱を持ったまま。 「どうしたんですか、今日の課長、変ですよ?」 バッグを持ち直し、課長の顔を覗き込むように見上げる。 「変?そうね、変だとしたらそうさせているのは高橋さんよ」 色を正したまま、真っ直ぐに私を見てくる課長。 冗談を言っているようには到底見えない。 「私…ですか?」 「本当、鈍いんだから。まあいいわ。これから一緒に夕飯でも食べに行きましょう。この先に美味しいフレンチがあるの」 「いいですけど…って、え?フレンチ!?私今日そんなに持ち合わせていませんよ!」 流石課長と言おうか、お店のチョイスまでお洒落だ。
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