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∵第1話 恋という名の種を拾いました。
残業ばかりの毎日。
新入社員で入って早3ヶ月が経とうとした頃。
今日も終電に乗り帰宅する。
デスクワークとはいえヒールを一日中履いていると足先も痺れ疲れは全て足下へ。
終電のわりに混み合う車内の中、扉に身体を預けて車窓を覗く。
街の灯りは殆んど消え、反射して窓に映り込む疲れきった顔の自分を見て溜息を一つ。
今日も一日よく頑張った。
そう自分に慰めの言葉を掛けて目蓋を閉じる。
「疲れた…」
思わず声に出してしまいハッとする。
幸い周りには聞こえていないようで安堵した。
「なーにが疲れただって?」
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