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2.プレゼント
――それから一ヶ月
優哉とは同じクラスで席も隣、同じ苗字だしイニシャルも同じ、お互いの漢字を一字ずつ名前に持っているし、ちょっと運命的な感じがしなくもない。
「結、放課後空いているかな?」
隣の席から優哉が話しかけてきた。
「空いているけど、……どうして?」
私たちはお互いを呼び捨てで呼び合うくらいには親密になっていたけど、まだただの友達。
「ちょっと……渡したいものがあって……」
え? 何? 渡したいものって? もしかしてラブレターとか? それともプレゼント? キャー、ウソー。
優哉からなら貰ってあげてもいいかも。
ルックスだってそんなに悪くないし、性格も優しいし、ただ少し気が弱いところがあってドジだけど、あんな出会いをしたせいかな、少し気になる存在なんだよね。
なんて一人で浮かれていると、こちらを見ている優哉の姿が目に入った。
笑っている。
私、そんな変な顔をしてたかな?
そう考えると一気に恥ずかしくなって顔が熱くなった。
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