1.海へ行こう

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「穂坂 糸!」 「はいっ!」 フルネームで呼ばれ、つい元気に返事してしまいました。 あ、申し遅れました。私、ほさか いと、と申します。よろしくお願いします。 「私が、元麿抜きで海なんて行くと思う?!」 「あ、ううん!だから、珍しいな~、って…」 「元麿が海の家でバイトするって言うから、冷やかしかつ、監視がてら見に行ってやろうと思って!!」 ってか、何で決める前に言わないのよあいつ! ってぶつぶつ。 …何だかご立腹のりんちゃんです。 なんだかんだ言って、2人はとても仲良しです。 会えば言い合いばかりしてるんですが、ケンカするほど何とやら、言い合いしてても楽しそうなのはちょっと羨ましいなぁ、と思ったりします。 「ってことで!糸!!今週の土曜、白砂海水浴場に一緒に行って!」 一緒に行って、とは言いますが、りんちゃんのはもう決定事項です。 特に用事も無いから良いんですが… あ、もちろん、予定があったらちゃんとキャンセルも受け入れてくれるりんちゃんなので、心配は要りません。 ただ1つ、私には、りんちゃんに言っていないことがありました。
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