1.海へ行こう

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「りんちゃん、海に行くのは良いんだけどね?」 「ん?何?」 首を傾げるりんちゃん。私は、前髪の先、左目の下の泣きボクロが色っぽいなぁ、と思いました。 「海岸歩いたり、眺めるのは割と好き。あ、釣りぐらいならできる。でも、海には入れないの。」 「?海アレルギー?」 じゃあ、行かない方が良いか?って悩んでくれるりんちゃん。優しいなぁ、と思いながら答えます。 「アレルギーじゃないんだけどね?トラウマ、かな」 海で溺れたわけじゃないんです。プールでなら、問題なく泳げます。海に入るのがダメなんです。 「うーん?糸が海に入らなければOK?」 「うん、ごめんね?」 「ううん、全然良いけど。糸、暇じゃない?」 「眺めてるだけでも楽しいよ?」 しばらく悩んだりんちゃん。 「そ?元麿がバイトしてる間だけ、私と遊んでくれたら嬉しいんだけど、良い?」 「海に入らなければ大丈夫」 「じゃ、お願い!」 「うん」 「ありがと!」 花が咲くように笑ったりんちゃん。 りんちゃんは、色っぽい外見によらず男前。 でも、優しくてちょっと寂しがり屋です。 こうして、私は元麿くんがバイトする白砂海水浴場へ、りんちゃんにお供することになりました。
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