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「光に発信機でも付けました?」
『えっ!? なんで?』
不意打ちを食らったからか、音無さんの声が少しうわずってる。
「だって、明らかにおかしいでしょ? 泉さん、どうやって光の元に駆け付けたんですか?
いや…別に責めるつもりはないですよ。そのおかげで、光は無事だったわけですし……。
けどね……、もしかして……犯罪…」
『いや! 中山さん、それはない!
ほら、親が子供にGPS携帯持たせるでしょ? あ、あんな感じ……?』
「はぁ? それおかしくないですか?
GPS携帯って…、光の携帯にそんな機能ついてましたっけ?」
音無さんは一瞬口を噤んで、小さなため息をついた後『光は? なにか疑問に感じてるみたい?』質問を質問で返してきた。
もお…、じれったいなぁ……。
「あのね…。光はあんな性格ですから、普通なら感じるはずの疑問も泉さんの裸のおかげで、すっかり頭からすっぱ抜けていますよ。
私もあえて、光に助言したりしていませんけど……。
なに? 泉さん、光のストーカーですか?」
「いや、中山さん、ストーカーって……。ハハハ」
音無さんの乾いた笑い声が、非常に耳に障る。
「いや~。だからさぁ……」
音無さんは渋々という体で話し始めた。
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