☆彡 パンドラ後半

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 柏木さんが言っていたもの。  『ストリップダンサー殺害の』って。  私が真田教授に質問した、あれは……。  震える私を小枝子さんが見据えた。その瞳は氷のように冷たい。  けれど、芯は熱い。  もう何十年もの間、胸の中に抑え込んでいたマグマを今、ここで噴火させるつもりなんだ。 「中山さんでしたっけ? 私がどうしてここに来たかわかる?   今までずっと、何年も、沈黙してきた私が?」  何も答えられない私に代わり、光が口を開いた。 「小枝ちゃん、続けて……。明子、私は大丈夫だよ?」  その言葉に頷けない私を一瞥した後、小枝子さんは鞄から古い雑誌を取り出した。  表紙は、下着姿のモデルが怪しいポーズを決めている、いかにも卑猥な雑誌の類だった。  小枝子さんは付箋が貼ってあるページを開いた。  カラーが一枚。  かろうじて下着は身に着けているものの、赤いライトの下、淫らなポーズを観客に向けている女性。  その悦楽的な表情は、どこか光に似ていた。  そして、同じようにどこか小枝子さんに似ていた。
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