☆彡 パンドラ後半

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「それでもね、お母さんは受け入れようとしていたみたい。やっぱり母親なんだよね」  小枝子さんは、気を取り直したように顔を上げた。そして、また一つ思い出したようにやや声を高めた。 「でもね、ある日学校から帰ると、お母さんはテーブルにうっ伏して泣いていたの。  私が『どうしたの?』って聞いたら『聖子の子供は、父親のいない子だった』って、そう言ったの。  その時は、意味が分からなかった。  でも、お父さんとお母さんは絶望的な表情で何かを話し合っていた。  『聖子のことはもう諦めろ』ってお父さんが言っていたのを覚えてる。  私がその理由を知ったのは、姉さんが死んだあとだった。  姉さんが『デザイナーベイビー』を身ごもっていたこと知って、お父さんは姉さんを勘当することに決めたんだって」 「そのくらいで、か……?」  今度は泉さんが声を発した。  低くて、憎々しい声……。  こんな声、聞いたことないし。ちょっと、って、突っつけないくらい、怖い顔している……。  
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