☆彡 パンドラ後半

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「それなら!」    いきなり師範が立ちあがって、小枝子さんを上から睨みつけた。 「それなら、どうして光を見捨てたんだ?  あの後、光はな……、あんたが出て行った後……、酷い有様だったんだぞっ!」  圧倒されるような剣幕で、師範が一歩前に出た。 「師範‥…」  私や泉さんが立ちあがる前に、光が師範と小枝子さんの間に割って入っていた。 「師範……、お願い……」  光は正面から師範の両腕をとって、肩に顔を埋めている。 「ちょ、二人とも……、こっち座って!」  もう、今度はこのおっさんかっ!   私は立ち上がって、光と師範をソファに座らせた。  そして、泉さんの隣に移動する。椅子取りゲームじゃないんだからさー! 「すまん、光、思わず……。私も年だな……」  師範は懐から出した手拭いで目頭を拭いながら、光の手を握りしめていた。  私は横目で泉さんを睨んで、脇腹を小突いてやった。  こんな時に羨ましそうな顔で見てるんじゃないわよ。  泉さんは一瞬唸り声をあげてから、居住まいを正し 「それで……あの、小枝子さんが出て行った理由というのは?」  刑事モードに切り替えて、質問を口にした。
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