☆彡 パンドラの真実

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 きっとお父さんも疑問に感じたんだと思う。  手紙に、走り書きで電話番号が書いてあったの。  私は半信半疑で、電話してみた。  そうしたら、その電話はすぐに繋がったの。  相手は、落ち着いた声の男性だったわ。  両親が亡くなったことを報告したら、その人は『良かったですね』って言ったの。 『どういう意味ですか!?』って怒ったら『だって、これで解放されるでしょ?』って。楽しそうにそう言ったのよ。  意味が分からなくて、私……何も言えなかった。  そして『あなたは? 知っているんですか?』って言われたの。  『真実を教えましょうか?』って。  パンドラが好奇心で、箱を開けてしまったように、私も『知りたい』って思ってしまったのよ。  覗いた箱の中には、絶望がぎっしり詰まっていたのにね……」  小枝子さんは両手で顔を覆い、苦しげに嗚咽を漏らした。
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