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「小枝子さん、このことについては、沢村弁護士から聞いています。
あなただって、もう解放されていいんだ。
もう……、何も心配しなくていいんだ」
音無さんは立ち上がり、小枝子さんの肩を抱いた。
「少し、待っていてください。説明は俺からするので……」
音無さんが小枝子さんを奥の長椅子に座らせてから、お茶を入れ、その手にカップを握らせるのを、私達は黙って見ていた。
正直、私は混乱していて、口を開くことができなかった。
あまりにも話が絡み過ぎていて、何を質問していいのか判断できない。
音無さんは、ソファに戻り腰を落ち着かせた後
「これは、今警察が動いている案件らしい。
だから捜査情報になるかもしれないが、混乱させるつもりでも何でもなく、沢村弁護士からの引き継ぎ事項として聞いてほしい」
そう前置きした。
泉さんはものすごくモノ言いたそうな顔をしていたけど、歯を食いしばって頷いた。
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