★ 明子さんVS谷木さん

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『何しにいらしたのかは、想像がつくけど……、警察官の泉さんが協力しないことを、私が協力すると思いますか?』 『へぇ、泉が協力しないこと知ってるんだ?』 『えぇ。泉さんがすごい剣幕でお断りしている場に、私、いましたから』 『ふう~ん』  な、なんだ? この会話は。  谷木さんと明子さんは、顔を見合わせたとたん、お互いピリピリした空気を漂わせた。  明子さん、イケメン谷木さんに会いたかったんじゃないのか? 『ちょ、二人とも、泉が何だっていうんですか? 俺にも説明してください』  たまらず俺は、二人の世界に割って入った。 『柏木さん、聞いてないの?』  明子さんが目を丸くして頷く俺を見た。 『谷木さん、どうして柏木さん連れてきたんですか?』  今度は、呆れ顔で谷木さんを見る。  そりゃ~、ないぜぇぇぇ―――。  あまりの言われように、俺は見るからにへこんだ。  谷木さんはそんな俺を横目で見ながら、いかにもの同情顔を晒す。 『だって、お前何も訊いて来ないからさぁ。てっきり彼女から聞いてるのかと思ったんだよ』 『あら、私、そんなおしゃべりじゃありません!』 「はははっ……」  俺だけ蚊帳の外かよ……。
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