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『何しにいらしたのかは、想像がつくけど……、警察官の泉さんが協力しないことを、私が協力すると思いますか?』
『へぇ、泉が協力しないこと知ってるんだ?』
『えぇ。泉さんがすごい剣幕でお断りしている場に、私、いましたから』
『ふう~ん』
な、なんだ? この会話は。
谷木さんと明子さんは、顔を見合わせたとたん、お互いピリピリした空気を漂わせた。
明子さん、イケメン谷木さんに会いたかったんじゃないのか?
『ちょ、二人とも、泉が何だっていうんですか? 俺にも説明してください』
たまらず俺は、二人の世界に割って入った。
『柏木さん、聞いてないの?』
明子さんが目を丸くして頷く俺を見た。
『谷木さん、どうして柏木さん連れてきたんですか?』
今度は、呆れ顔で谷木さんを見る。
そりゃ~、ないぜぇぇぇ―――。
あまりの言われように、俺は見るからにへこんだ。
谷木さんはそんな俺を横目で見ながら、いかにもの同情顔を晒す。
『だって、お前何も訊いて来ないからさぁ。てっきり彼女から聞いてるのかと思ったんだよ』
『あら、私、そんなおしゃべりじゃありません!』
「はははっ……」
俺だけ蚊帳の外かよ……。
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