★ 明子さんVS谷木さん

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★★★  犯罪心理ゼミの部屋は、北側校舎の3階にある。  一年中あまり日の当たらないこの校舎は今日のような、初夏を思わせる日差しがサンサンと輝いていようとも、全くお構いなく冷え冷えとした空気を漂わせていた。 「あのさ……。真田教授の情報だけど……、俺なりに調べたことがあるんだ」  階段をゆっくり上がりながら、俺はポトリポトリと足元に言葉を落とした。 「へぇ。どんなことが分かったの?」  明子さんはあまり関心がなさそうな口ぶりで、俺の話を促した。 「うん……。俺が調べてる『ロバート松岡』は、ハーバード大学在学中に真田と知り合った。二人とも同じ大学だったんだ。  友達かどうかはわからないけど、少なからず接点があったんだ」 「うん……。それで?」 「それで、殺害されたとされるストリッパーなんだけど。  彼女はハーバード大学の日本人会に慰安として招かれて、ストリップショーをしたらしいんだ」 「へぇ。そうだったの……」  明子さんは足を止めて、俺を見た。  それから、また前を向いて足を踏み出した。
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