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――ストリップ・ダンサーの顔写真。
それは週刊誌で使われた、かなりきめの粗い写真だった。
だから俺自身は、宝田さんに似ていると言われれば、そうかもな……。と思う程度だった。
だいいち、宝田さんの雰囲気とストリップ・ダンサーという職業があまりにもかけ離れすぎていて、接点を持って見られない。
でも、谷木さんは他にも何枚も写真を見たらしく『似ていると言ってみろ。それで、お前の彼女が知っていることを聞き出せ』と命令された。
もし、谷木さんの言う通り、このダンサーと宝田さんに接点があるのなら、泉が休んでいるのにも合点がいく。
泉は公安じゃないから、きっと水面下で調べている。で、なんでそんなことするのかといえば、宝田さんが絡んでいる。ということなんだろ。
明子さんから返事をもらえないまま、真田ゼミの部屋の前に到着した。
ドアノブを握りながら、明子さんは俺に振り返った。
「柏木さんが、私の欲しい情報をくれたら、私も情報を渡す。
お互いギブ・アンド・テイクで行きましょう」
そう言って、ウィンクを投げた。
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